2011.05 赤城山テント泊登山(鈴ヶ岳~鍬柄山、地蔵岳~長七郎山~小地蔵岳)(1)【鈴ヶ岳~鍬柄山編】


ふとしたきっかけで山登りを始めたのが、3年ほど前のこと。
根っからの都会っ子だった私は、当初「山登りは楽しいけど、泊まりがけで山に行くのはちょっと遠慮したいなぁ」なんて考えていたんだっけ。
それがいつの間にか、山小屋泊まりの縦走登山をするようになり、さらに2年目の晩秋には、同行の友達にテントを持って来てもらって、テント泊登山も経験し・・・
こうして考えると、私の元にマイテントがやってくるのは、必然の流れというべきものなのかもしれません(笑)
というわけで、今年に入ってテントを購入した私は、東京周辺のキャンプ場で何度か練習をしました。
そしてついに、テントをかついで登山に出かけることになったのです

記念すべき第1回のマイテント泊登山の行先は、以前に出版社の担当さんとも出かけた赤城山。
初めてなので、山の中にテントを張るような登山ではなく、ベースキャンプ型・・・つまり、麓のキャンプ場を登山基地にして、日帰りで周囲の山を登ろうという計画を立てました

いまだかつてない重量に膨れ上がったザック(カリマー クーガー 40-55)をおんぶした私は、電車とバスを乗り継いで、赤城山までやってきました。

「湖尻厚生団地入口」でバスを降りるなり「ここはどこ?」状態になりましたが(苦笑)、「湖尻」「沼尻」「青木旅館」のキーワードを頼りに、大沼の畔まで下りてきました。
ここ赤城山は、大沼を取り囲むようにして、いくつもの山々が峰を連ねています。
大沼の向こうに見えるのは、以前登った黒檜山と駒ヶ岳かな?

こうして沼沿いの道をとぼとぼと歩くことしばらく、私たちはようやく赤城山キャンプ場へとたどり着きました。
事前にビジターセンターへ問い合わせたのですが、ルールを守って使用すれば、無料で使ってOKとのこと。ありがたいキャンプ場です!

トイレや炊事場から近いところに適地を見つけたので、私たちは早速テントを設営します。
重いザックから解放されて、空に浮いてしまいそうな身体をテントの中へ放り込むと、私は遅い朝食のシリアルをかき込みました。

穏やかに晴れたこの日、開け放したテントの入口からは、沼を渡る風が爽やかに吹き込んできました。
あぁー、このままお昼寝なんてしたら、すごく幸せなんだろうなぁ・・・


ですが、せっかく登山に来たのですから、いつまでものんびりとはしていられません。
これ以上ここにいると足から根が生えてしまいそうだったので、私たちは早々にテントを出ると、中身が抜けてぺしゃんこになったザックをかついで、再び舗装道路を歩き始めました。

林間学校の建物前を通過して、案内看板を確認した私たちは、いよいよ山道へと入っていきます。

5月上旬とはいえ、まだまだ景色に春の色は見られません。
静かな冬枯れの樹林帯を、トコトコ歩いていきます

そうそう、ただいま赤城山へ出張中・・・
じゃなくて、これは「出張峠」を示す看板です(笑)

どうやらこの道は、「関東ふれあいの道」の一部のようです。
東京近郊の登山道でも良く見かける、例の看板が時々立てられていました

その先から、道は下りベースになります。
急な斜面は丸太の階段になっていたりして、本来は整備されている道のようなのですが、倒木や枯れ枝が登山道上に沢山落ちて、結構荒れた雰囲気のところも出てきました

このエリアの中でもあまり人気のない山なのか、最近人が歩いた様子があまりなく、時々道も不確かになります(苦笑)
それでも着実に、私たちは歩を進めていきました。

ほら、道端には、こんなにもきれいな花が咲いていましたよー!

森は生きてるんだなぁ。こういう光景を目にするとすごくホッとしますねー



そしてちょっと崩れかけていて、どこを通れば良いか戸惑ってしまう道がありましたが、なんとか無事通過


すると、車が数台停められた広場状のところに出てきましたー!林道の終点みたいですね。

ここから鈴ヶ岳山頂に至る道へ入っていくわけですが・・・出だしがなかなかすごいです(笑)

この先も、冬枯れの明るい登山道が続いています。
苔むした岩がごろごろ転がるところも現れましたー。

そして、この日の山行で一番気になったのがこれ!

柔らかな綿毛に覆われた「からかさお化け」みたいなのが、ポツポツ立っています!!
大型のヒトヨタケの仲間かなぁと思ったのですが、どうやら何かの葉っぱの芽のようです。
所々に現れる彼らの姿はかなり目立っていました。成長したらどんな姿になるんだろう?なんだかワクワクしてしまいます

その後、道の傾斜はかなりきつくなってきました。大きな岩も数が増えてきています。

そしてついに、こんな岩場まで登場しました!!
こ、これは迫力満点・・・!!

【次回へ続く】
2011.05 赤城山テント泊登山(鈴ヶ岳~鍬柄山、地蔵岳~長七郎山~小地蔵岳)(2)【鈴ヶ岳~鍬柄山編】
大沼の畔にテントを張り、北側のルートから鈴ヶ岳山頂直下まで登ってきた私たち。
息を荒げながら険しい岩場を越えていくと、一気に景色が広がりました。
「わぁっ!すごーい!!



眼下一面に広がる冬枯れの木々の海は、実に壮観でした。
テントでお昼寝しないで、ここに登ってきて良かったなぁ

ここでしばらく景色を楽しんだ私たちは、最後の登りへと向かいました。

大岩を乗り越え、すり抜けして進んでいくと、ついに・・・
鈴ヶ岳山頂に到着ーっ!


あまり広くない山頂にはごつごつした大岩が積み重なっていて、その一角に「鈴嶽山神社」の石碑が立てられていました。
すごく雰囲気があって、素敵ですね


この石碑の前に、お米がお供えされていました。信仰の厚い山なんだろうなぁ。
登り始めが遅かったせいで、この時すでに14時近くになっていました。
私たちは近くの岩に腰掛けて、簡単な昼食をとることにします。
今日の山ごはんは、フリーズドライの中華スープと、家で作ってきたサンドイッチ!
たとえ簡単なものでも、山で食べるごはんはやっぱり美味しいです


私たちが食事をしている間じゅう、辺りを沢山の蝶が飛び回っていました。
みんなで追いかけ合ったり、岩の上で休んだり・・・なんだかとっても楽しそう


食事を終えた私たちは、荷物をまとめると山頂を後にしました。
来た道を20分ほど戻り、大ダオと呼ばれる分岐点までたどり着くと、今度は南東方面へと足を進めます。
冬枯れの明るい道をしばらく歩いていくと・・・

この指導標、よく見ると柱の部分に山の名前が書いてあります。
鍬柄山(くわがらやま)の山頂に到着です!


ここからの眺めはとても素晴らしいものでした

私はまるで鳥にでもなったような気分で、赤城の山々や地面にぽっかりと口を開いた大沼を見下ろしました。

うーん、気分爽快!!



時間が遅かったのであまり長居をせず先へ進みましたが、こんな風に開けた道が続いていて、本当に歩くのが楽しかったです


やがて現れた樹の幹に、こんな案内を見つけました。

で、出口!!(笑)
下山口は「山の世界からの出口」ということになるのかな?
この少し先にある鍬柄峠までは見晴らしも良く、私たちは楽しみながら歩いていきました。
それから、指導標に従って明るい林の中の道を進んでいきます。

そしてついに、下山口の白樺牧場前に出てきましたー。

歩きごたえもあったし、景色も素晴らしかったし、それにとても静かでいい山だったなぁ。
登山の余韻に浸りながら、舗装道路をてくてくと歩いていく私たち。
そして、トイレを借りるためにこちらの施設にお邪魔しましたー。

登山だけでなく、テント泊装備を担いでの移動もあったので、思ったより体力を消耗していたようです。
ですが、閉店間近の売店で買ったソフトクリームがものすごく美味しかったので、あっさり回復しました(笑)
ここからはまた、朝バスを降りた湖尻厚生団地入口バス停まで戻って、そこからぐるっと大沼を回り込んでテントに帰ります。
日帰り登山ではないので時間に余裕のあった私たちは、散策路をあちこち寄り道しながら、のんびりと帰っていきました


テントへ戻るとさすがに1日の疲れがどっと出たのか、少しうたた寝をしてしまいました(笑)
辺りが暗くなった頃、ごそごそと起き出して晩ごはんを作ります。
具沢山のチゲ鍋はとってもいい匂い!
これを食べてあったまって、ぐっすり眠って・・・また明日も頑張るぞ!!


【次回へ続く】