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2010.05浅間山(前掛山)登山(1)

浅間(前掛)山(2,524m/長野県小諸市他)

今回のルートマップはコチラ(ルートラボ)

登山を始めてまもない私に、「山の上には信じられないような世界が本当にあるんだ」ということを確信させてくれた山行がありました。
その時歩いた黒斑山、仙人岳、蛇骨岳、Jバンドを縦走するそのコースからは、常に偉大なあの山が見えていたんです。
黒斑山山頂から
▲2008年11月 黒斑山山頂から

浅間山。それは今でもしきりに噴煙を上げ続けている生きた火山です。
私がその外輪山を縦走した当時は入山規制がかけられていたのですが、ついに警戒レベルが緩和され、浅間山火口へは立ち入りが禁止されているものの、その前衛となる前掛山までの登山が認められることになりました。
この機会を逃す手はない!と、早速浅間山(前掛山)への登山に出かけた私なのです

今回は浅間山荘から火山館を経て前掛山山頂を往復するコース。
その朝、車で山荘駐車場へとやってきた私たちは、装備を整え、登山届を提出します。
登山口には登山客の注意を促すこんな看板が。
登山口には注意を促す看板が。
警戒レベルが緩和されたといえ、そこはやはり火山。いつ爆発が起こるか分からないんですよね。普通の登山以上に気を引き締めていかなければ

こうして私たちは、森の中へ続く緩やかな登山道を歩き始めました。
しばらくは、あの火山の麓にはこんなに美しい森があったの?と驚いてしまうほど繊細で明るく、緑豊かな道を登っていきます。
最初は気持ちの良い道
それに、勾配もほとんどないのですごく歩きやすいのまるで高原の散歩道のような登山道を、森林浴を楽しみながら進みます。

私が持っている砂礫だらけの浅間山のイメージとは裏腹に、道はどんどん森の中へ伸びていきます。
今回のパーティーはのんびりペースなので、辺りをきょろきょろしながら進んでいくと・・・
冬色の笹の地面にぼぅっと浮かび上がる、苔むした倒木を見つけました
苔むした倒木
なんだかここだけ色がついているみたいで不思議だね~。

さらに、向こうに見えるのは繊細で柔らかな緑たち。
繊細な雰囲気の葉っぱたち
やっぱり、なんだか他の山とは違う独特の雰囲気を感じます。

それから、登山道の途中にはところどころに薪が積まれていました。
薪が積んでありました
これは誰が使うんだろう?なんて不思議に思っていたんだけど、どうもこれ、登山者に対して、この先にある火山館へ運んで下さいって意味で置かれていたものだったのかも・・・と後で気付いたため私たちは何もせず。(笑)

この森の中の道には他にも滝があったり、小さな花がいくつも咲いていたりして飽きることはありませんでした。
これから危険な火山に登るんだということを、ついうっかり忘れてしまいそう

ほら、こんなものもあったよ。この芽、なんだかかわいい~
こんなにカワイイ芽が!

こうしてあれこれ観察しながら進むことしばらく、だんだんと森が開けてきました。登山道の脇には一面に笹原が広がります。
景色が開けてきました

ここからの道にも、小さな花たちが沢山咲いていましたよ~思わず足を止めて見入ってしまいます。
こんなところにも花が!

しかし、花に癒されながら楽しく登る「やさしい道」は、徐々にその様子を変えていくのでした。
しばらく進んで行くと、右手前方に人が近づくのを拒むような荒々しい姿をした山が見えてきたんです。
この山、「牙山」と書いて「ぎっぱやま」と読むのだそう。
牙山

そしてその山の足元にはなんと、真っ赤な川が流れているんです!
足元には、赤い川

黒々と聳える牙山と、その足元に走る血のように赤い川・・・先ほどまでの緑の道とはうって変わって、命の気配すら感じさせないような異様な光景です。
なんだかドラキュラでも出てきそう・・・私は背筋にスッと冷たい汗が流れるのを感じました。

こうして物々しい雰囲気の牙山を見送ると、まもなく前方に突然キレイなログハウス風の建物が現れました。建物前は広場になっていて、ベンチも設置されています。
火山館に到着!
ここが火山館だね。少しホッとした私たちはここでお茶休憩を取ることにしました。

ここからがいよいよ、本格的な浅間山登山の始まりなのです。

【次回へ続く】
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2010.05浅間山(前掛山)登山(2)

浅間山(前掛山)登山、(1)の続きです。

火山館で温かい飲み物を頂いた私たちは、コース中唯一のトイレを忘れずに済ませてから再び歩き始めました。
相変わらずなだらかで、とても歩きやすい道。「草すべり」へ向かう分岐を過ぎ、わずかに雪の残る林の中を抜けていくと、辺りの木々は低く、まばらになってきました。
歩きやすい登山道

やがて、視界が大きく開けた道へと出てきました~!
やや振り返るようにして見た平原の先には、押し寄せる大波のように聳える山並み。あれが黒斑山からJバンドへと続く浅間山外輪山たちです。
前回はあの稜線をたどりながら、この平原を見下ろしていたんだなぁあの時感じた驚きや感動の記憶が一気に蘇ってきました。
外輪山の眺め

そして進行方向右手には、浅間山も姿を現しました。
浅間山が目の前に!
火山性の砂礫ばかりで形づくられたこんもりと大らかなその山容は、恐ろしい火山というよりも、大きな大きな砂山を思わせます。
私が前回、外輪山の稜線からずっと眺め続けていたこの山へ、今日は登ることになるんだなぁ。
夢をまたひとつかなえようとする瞬間の、ワクワク感がたまりません!

こうして浅間山の足元を歩き始めると、辺りの景色はさらに変わってきました。
ごろごろと転がる火山岩の合間に、低木や苔たちがたくましく根を張っています。
これまで見たこともないような色や形をした植物たちを目の当たりにして、思わず足を何度も止めて見入ってしまいました。
ほら、この木なんてすごくカワイイ!
カワイイ木!

それから・・・見て、ちゃんとこんなに小さな花まで咲かせてるの
小さな花が咲いてるよ!

全てを焼き尽くすような、恐ろしい「生きた火山」がちょっと息継ぎをしている間に、その裾野からは小さな命が生まれ、そして徐々に命の手を広げていってるんだなぁ。
小さな花たちに癒され、励まされながら、いよいよ浅間山山腹に付けられた登山道を登っていきます。
急坂を登ります

・・・実は、以前外輪山を歩いた時に感じていたんですけど、

この道、ものすっごいきつくありませんかっ!?(苦笑)
浅間山登山道の図
(※前回の登山時に撮影した浅間山。登山道を白くなぞってみました。)

火口の淵に向かってすっと一筋伸びているこの登山道は、急勾配なだけでなく、富士山のような砂礫に一面覆われていてとても歩きづらいんです
それでも、歩くことを諦めなければ絶対にたどりつくはず。
私は自分のペースを守りながら、ゆっくり、じっくりと登っていきました。

顔を上げる度、眼下の平原が遠く、低くなっていきます。先ほどまで壁のように聳えていた外輪山の稜線が、目の高さに見えてくるようになりました。そしてその壁の向こうの世界が、少しずつ少しずつ顔を出してきます。
登りのきつさよりも目に映る世界の美しさに心を奪われて、私はいつしか苦しささえも感じることはなくなっていました。
空へ、空へ・・・不思議な高揚感に包まれながら、私はどんどん登っていきました。
どんどん高度を上げていきます

そしてようやく登り切った私を待っていたのは、意外な光景でした
浅間山山頂へは立入禁止
「立入禁止」と書かれた看板に、幾重にも渡されたロープ。そう、この先に見えるのが、本当の浅間山の頂なんです。
警戒レベルが緩和されたとはいえ、浅間山山頂は立入禁止。私たちはそこから右方向に進路を変えて、前掛山を目指します

とはいえ、「前掛山なら安全」ということでは決してなく・・・。
途中にはこんなに立派なシェルターがいくつも設置されていました。
立派なシェルター
それでも、もし浅間山が大爆発した時にはひとたまりもないのでしょうね・・・

少し緊張しながら、私たちはさらに先を目指します。
さぁ、前掛山の山頂まではあとひと登り!

・・・って、

なにこの絶壁ーっ!?

ものすごい絶壁が!


【次回へ続く】
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2010.05浅間山(前掛山)登山(3)

浅間山(前掛山)登山、(1)(2)の続きです。

浅間山の山腹につけられた砂礫の急坂を登りつめ、山頂直下の立ち入り禁止ロープ前までやってきた私たちは、前掛山山頂へと進路を変えて歩き始めます。
シェルターの設置された荒野の向こうには、まるで襲い掛かる大津波のように岩壁がせりあがっています。まさかこんな景色が広がっていようとは、麓から見上げていた時には知る由もなかったのでした。
目指す頂へは、この岩壁の上をひたすら歩いていくんです。この想像を絶するスケール感の中にあっては、人間なんてまるでアリンコ・・・いや、ゴマつぶぐらいにしか見えません!
岩壁の上を進みます

この写真なんてもう・・・恐るべき高度感です。
ものすごい高度感!

景色は360度、どこまでも開けています。
右手には、これまで壁のように見えていたはずの外輪山の山並み。あんなに低く小さく見えるなんて!
外輪山があんなに小さく・・・

そして左手には・・・浅間山山頂付近の美しい姿が見えています。
巨大な火山岩が転がっているのを見つけて、思わず絶句・・・。
火山岩の大きさに驚きます
自分の想像しうる「壮大さ」の範囲を超えたこのスケール感に、ただただ言葉を失います。

この辺りの道になると、急に冷たい風が強く吹きつけてくるようになりました。
私はウィンドブレーカーを羽織ると、「生きた火山」の感触を一歩一歩確かめるようにして先へ進みました。

そして・・・生物の気配すらない砂礫の土地に立てられた、1本の山頂標柱。
やったぁ、前掛や・・・・ま?
浅間山(前掛山)山頂!
良く見たら、浅間山って書いてある山頂に到着ですー!

浅間山の本当の山頂はここではないんだけど、危険なので立ち入ることができないことから、ここ前掛山の山頂に「浅間山」の標柱が立てられたのかもしれないですね。私はピークハントを目的としていないし、元々前掛山に登るつもりだったので特にこだわりはないのですが、やっぱり浅間山の頂上に立ってみたいって人は多いんだろうな。

そしてこの山頂標柱、もうひとつ面白い工夫がありました。柱の両脇に、手形マークがついてるんです!
はい、それでは山頂タッチ♪
山頂タッチ♪

この場から望む浅間山の(本当の)山頂は、ガスに霞みながらも火口の輪郭がはっきりと分かりました。
その火口に向かって、これまた斜めに延びる登山道(?)が。もし火口までの登山が解禁になったとしたら、あの道を歩いたりするのでしょうか。
・・・やっぱり急な気がする(苦笑)

風が強いのは一部の場所だけだったようで、この標柱付近はだいぶ穏やかでした。
私たちはあちこち景色を眺めたり、写真を撮ったりして過ごしました~。

なんだか浅間山よりも大きく見えるね。(笑)
浅間山山頂をバックに。

さらに、ここで私たちは驚きの発見をしました!
なんと、この辺りの地面、手を触れるとじんわり温かいんです!!
やはり生きた火山だからなのかなぁ?まるで浅間山の体温が伝わってくるようです。

そしてついにこんなことまで出来てしまいましたー!

山頂天然溶岩浴!
これぞ天然溶岩浴?
たまたまその場に居合わせたおばさまも飛び入り参加して、みんなで腰を下ろします。
「あぁー・・・あったかーい。」

・・・しかし、ここはいつ爆発するとも分からない危険な火口付近。あまりぼんやりもしていられません。
私たちは軽食を済ませると、来た道を引き返すことにしました。

実は私、この少し前に九州登山遠征で5日間連続登山をしていて、その筋肉疲労から膝痛が発生していたんです。
この日までにはすっかり治っていたのですが、念のためノースフェイス バイオテックスを履いている上からZAMST 膝サポーターを装着するという厳重装備で下山に臨みました(苦笑)

砂礫の急坂はやはり、富士山のように中途半端に足が滑って歩きづらいです。
それでも、足元に広がる湯の平と、前方にどんどん大きさを増してくる外輪山たちを見ながらの下りはとても爽快な気分なの
あの時、向こうの山の稜線からこちらをずっと眺めていたんだよなぁ・・・。過去の自分と向き合っているような、なんだかちょっと不思議な気分。
絶景の道を下ります

こうして私たちは、耳がつんと痛くなるぐらい一気に高度を下げてきました~。
振り返ると、やっぱりこんもりと大きな砂山みたいに見える浅間山。
やっぱり砂山みたいな浅間山
あの上には壮大なスケールの火山の風景が広がっているなんて、やっぱり信じられません。
それがきっと、登った人だけにしか見られない「雲の上の世界」なんだよね

ようやく湯の平へと下りてくると、後はほぼなだらかな道を戻るのみ。
火山館を過ぎると、再び赤い川が現れました。何度見てもこの色にはびっくりさせられます
再び赤い川

それから、朝通った時にはまだつぼみだった花たちが、帰りにはこんなにキレイに咲いてました~
かわいい花もいっぱいでした!

こうして私は最後まで山歩きを楽しみながら(実は途中で若い男性の落とした携帯電話を拾ってしまい、登山口で受け渡しするという女子的にテンションの上がるイベントもあったのですが・笑)、浅間山(前掛山)登山を無事に終えたのでした。
私を登らせてくれた浅間山に感謝!そして今回の登山の機会を下さったメンバーさん方に感謝。

時に遠くから、そして近くから眺めてきた美しい浅間山。登ってみて初めて、その山が「生きた火山」という全く別の顔も持っているんだということを知りました。
あんなにいい山。あんなに素敵な山。恐ろしくて、雄大で、楽しい山。それは言葉で伝えることが難しい・・・だから私はやっぱりこう思うんです。

一度、山に登ってみませんか?私が山にとりつかれた理由、登ったらきっと分かるから

【終わり】

※自分用メモは近日掲載予定です。
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