2009.10朝日岳~茶臼岳紅葉登山(3)【茶臼岳編】
朝日岳のスリリングな道と美しい紅葉の景色を堪能した私達、峰の茶屋からいよいよ茶臼岳に向かって歩き始めました


一面の火山礫に覆われた山肌からは、幾筋もの白い蒸気が上がっているのが見えます。
その一方で、右手に広がるのは色とりどりの美しい自然の風景。

ロープウェイが通じていることもあって、峰の茶屋から茶臼岳側へ入るととたんに観光客が増えるのですが、お気軽にアクセスできる割には景色のスケール感が大きすぎますっ

圧倒されたり、感動したりしながら、なだらかな道をどんどん進んでいきます。
途中、「プシュー!!プシュー!!」ってものすごい音が聞こえてきたので顔を上げると・・・

蒸気が勢い良く噴き出してるのっ

「もしかして・・・」と近くの岩に手を当ててみると、手袋の上からでも熱がじんわりと伝わってくるんです。
火山としての茶臼岳が持っている動的な生命力とか躍動感みたいなものをびしびしと肌で感じる瞬間でした

「えー、じゃぁこの蒸気もやっぱりあったかいのかなぁ?」
と、好奇心のままに近くの蒸気(上の写真ほどすごい勢いのところじゃないです・笑)に素手をかざしてみたところ・・・
「・・・あづっ!!!!!!


その様子を見ていて、
「えーそんなに熱いの?どれどれ・・・
・・・・・・・あっづっ!!


それを見ていた通りがかりのおばさんは、
「アラ、熱そうね。手を出すのやめとこ・・・」
奥さん、それが正解ですっ!!

えぇと、繰り返しになりますが、こうして茶臼岳の火山としての生命力を「びしびしと肌で感じた」というわけです(苦笑)
(※注:火傷は一瞬のことで大事には至りませんでしたのでご心配なく・・・皆さんご注意下さい

そうこうしているうちに、牛ヶ首手前の分岐までやってきました~。

ここを真っ直ぐ登りきれば牛ヶ首なんだけど、私達は一旦ここで右に折れて、道を下ります。
少し前までニュースなどでも騒がれていた紅葉の名所、姥ヶ平へ向かったんです


こうして見ると、左手の方はもう紅葉が終わって、白っぽい枝の色が目立ってしまっていますね~。
それでも、右側の方は・・・ホラ。

赤、黄色、緑。色鮮やかでとっても美しいの

こちら側もピークは過ぎているようで、枝だけになった木も目立ってはいました。でも、その白っぽいじゅうたんの合間に覗くカラフルな紅葉の風景が、すごく日本的というか、柔らかいというか・・・幻想的な印象をより強くしていて、とてもキレイに感じました

なかなか歩きづらくて急な下り坂でしたが、なんとか下りきると、そこはまるで庭園のような広場になっていました。
振り返ると、紅葉をまとった茶臼岳の全景が望めます。

わぁぁ~キレイだなぁぁ

そして、奥の茂みの間にまるで隠されているかのように伸びる細い木道を進んで行くと、行き止まりに「ひょうたん池」という小さな池がありました。
その付近からみる茶臼岳の光景は本当に美しくて、皆さんばしばし写真に収めていらっしゃいましたよ~。
もちろん私も!


さっきまで茶臼岳の荒々しい岩場しか見えていなかったから、裾野の方がこんな風に緑の濃い山なんだってことを初めて知りました。
木々の中にひっそりと佇むひょうたん池の姿、見えるかなぁ?

静かで穏やかで・・・すごくホッとする光景でした

さて、姥ヶ平の散策を終えた私達は、牛ヶ首へ向けて再び急な坂を登り始めます。
すると、ここで突然雨が・・・

最初は小降りだったので一瞬迷ったんだけど、「着るべきかどうか迷う暇があったら、さっさとレインウェアをザックから出すべし」が私の登山人生標語なので(笑)、手早くレインウェアを着用しました。
雨はその後、一時的にかなり本降りになったのですが・・・

牛ヶ首に着く頃には、まぶしいほどの太陽が・・・

山の天気って、本当に分からないよ~!!

ここで少し座って休憩を取りながら、今後のコースについて友達と相談をしました。
また天気が崩れるかもしれないし、トイレにも行っておきたいので、ここからまずロープウェイ山頂駅を目指そうか。そこで天気が持ちそうであれば茶臼岳山頂にアタック!だね

こうして私達は一旦レインウェアを脱ぎ、山頂駅へと向かうことにしました

【次回へ続く】
2009.10朝日岳~茶臼岳紅葉登山(2)【朝日岳編】
いよいよ、紅葉に燃える朝日岳山頂への道を進み始めた私達。
振り返ると、茶臼岳の姿もキレイに見えました~。

へぇぇ、結構茶臼岳って頭がイボイボしてるんですね~(笑)
山肌からいくつもの白い蒸気が立ち上っているのが見えました。やっぱり現役の火山なんだなぁ。
一方、これから進む道はというと・・・

はじめに注意喚起する看板があったとおり、かなり岩がちで危険な道へと変わっていきました。
谷側がスパッと切れ落ちた細いところもあるので、すれ違いなどの時にはかなり気を遣いながら慎重に進んで行きます。
そして最大の難所と思われる、急な岩場地帯に差し掛かりました


かなり急だし、左右が開けている分高度感もあります。うーん、これはなかなか・・・。
山頂までの所要時間はそう長くないのでここまでハードな登りとは思っていませんでした~

それでも、眺望は本当に素晴らしいの一言に尽きます。

左手には深い谷と、遥かに続いていく山並み。
草木も生えないような荒地から、紅葉が終わって枝だけになったところ、今まさに紅葉まっさかりの場所もあれば濃い緑に覆われている山まで、色んな光景が一度に見渡せます。
すごい、本当にすごいよ・・・。目がくらくらするほどのスケール感です。
やがて、朝日岳の肩と呼ばれる広場へ到着しましたー

ここには座れる場所もあるので、私達も小休憩。
さて、朝日岳はどこだろう・・・目をやった先に尖った山の頂が見えました。
多くの人たちがその先を目指して歩いて行っています。
そっか、あれが朝日岳なんだね~


そして、やや歩きづらい岩場を登り切ったところに朝日岳の山頂標識がありました~


足元に広がるのは、今が盛りの鮮やかな紅葉・・・
わぁぁぁぁ~!!キレイすぎる!!



さっきまで私達が見上げていた真っ赤な山肌は、上から見てもやっぱり美しいのでした

さて・・・ここで朝日岳山頂標識の写真を撮っておきたいところだったのですが、狭い山頂に沢山の登山客がずらっと並んで順番待ちをしてるんです~

シーズンの連休だけあって、かなり人が多いみたいですね・・・。というわけで、私はなぜか朝日岳山頂・・・から見える茶臼岳をバックに記念撮影をして満足したのでした(笑)

さ、人も増えてきたし、そろそろ下山しよう

朝日岳の肩へ戻りながら、遠くの稜線へふと目をやると、

わぁぁ、ここよりももっと先へ登って行く人たちが沢山いるんだねぇ。
私も行ってみたいけど、今日はここまで。峰の茶屋へ戻って茶臼岳を目指します

こうして来た道を戻り始めたのですが、険しい登山道はやはり登りよりも下りの方がハードでした

今日は登山用ステッキ(シナノ サントレース 3YS)を持ってきていたので、膝への衝撃も軽減できたし歩行もスムーズになってかなり助かりました~。
景色を楽しむ余裕も残しつつ、順調に進んで行きます!

それでも、すれ違いや順番待ちで結構時間はかかりました。
途中、一番の難所と思われる岩場ではご年配の女性がうつ伏せに岩にしがみつく形で動けなくなってしまい、登りも下りも渋滞になっていたんです。
見たところ、岩にうつ伏せにしがみついてから手探りならぬ足探りで足場を探していらっしゃる様子で、なかなか足が着かず時間がかかっていたようでした。
この後の話ですが、茶臼岳の下りの時にも若い女性が同じような状態で動けなくなってしまっていたんですよね。腰を落としたり進行方向に背を向けたりする前に、一旦目視で「ここに足を置けそうだな~」って足場を確認しておくと、もしかしたらもう少しスムーズに下りれるのかもしれないなぁ。今度もし自分がそういう状態になったら、試してみよう

そしてなんとか無事に峰の茶屋まで戻ってくることができました


さぁ、これからいよいよ茶臼岳へ向かいますっ

【次回へ続く】
2009.10朝日岳~茶臼岳紅葉登山(1)【朝日岳編】

登山レポートがなかなか書ききれず、10月3連休の時のお話になってしまいますが

紅葉がまさに見頃を迎えているとの情報を聞きつけて、那須の朝日岳・茶臼岳へ行ってきました~

ロープウェイが山頂近くまで通じていることもあり、毎年紅葉シーズンには大勢の観光客が車で押しかけて大渋滞となってしまうこのエリアでは、今年の10月9~11日に「パーク・アンド・バスライド」という試みが行われていました。
私達もそのシステムに従って、IC近くの特設駐車場にマイカーを停めると、シャトルバスに乗り換えて茶臼岳を目指します。
本当はシャトルバスでロープウェイ山麓駅まで行き、そこからロープウェイを使って茶臼岳山頂を目指すお気軽登山の予定だったのですが、どうやらバスが山麓駅だけでなく、その先の峠の茶屋の方にも行くらしいことが分かって、慌てて計画を練り直しました。
というのも、車窓から見える茶臼岳は少し紅葉のピークを過ぎているようで、代わりに朝日岳方面がキレイに色づいているように思えたんです。
天気予報によれば、今日はお昼を過ぎてから天気が下り坂とのこと。それなら、まず紅葉がキレイな方から先に登って、後は天気次第でコースを柔軟に変更し、ロープウェイで下山すればいいよね

こうして急遽予定を変更し、峠の茶屋近くでバスを降りた私達。
「えええ――っ!何アレっ



予想通り、朝日岳方面の紅葉はキレイでした。
が、私の知ってる”紅葉の風景”とは毛色がまるで違う!!その新鮮な驚きに、しばらく唖然として身動きできなかったのでした。
と、とにかく準備を整えて、出発しよっと

トイレを済ませて朝ごはんのおにぎりをひとつお腹に入れると、私は那須岳登山口から歩き始めました。
茶臼岳方面をちらっと見ると、ロープウェイが行ったり来たりしている様子も見えています。
窓からもきっと紅葉が楽しめるでしょうね~


登山道は、初めはこんな風に木に挟まれた階段状の道になっているのですが、

じきに岩がちな広い道へと変わり、木も無くなって右手の視界が開けてきます。
そして再び、朝日岳がどーん!と姿を現しました。

ちょ、ちょっとこれ・・・すごすぎないですか・・・
岩が露出して、木も生えないんじゃないかと思えるような荒々しい山肌。そこにまるで張り付くようにして息づいている低木や草たちが、燃えるような赤色に染まっているんです。
ズームしてみると、こんな感じ。
伸びやかに育った木の紅葉とは、全く違う雰囲気を感じます。

雲の多い空から時折太陽が顔を出すと、陽射しを受けて草木の色がさらに鮮やかさを増していくの。

これは・・・ちょっと・・・
「キレイだね~」なんて言葉が陳腐に思えてしまって、それでも自分の辞書の中にあるどんな言葉を使ってもこの美しさを表現できなくて、ただただ絶句するしかありません。
一歩進むごとにその素晴らしさにため息をつきながら足を止め、同じような写真をばしばしと何枚も撮りながらまた一歩進む・・・そんなことを繰り返しているので、全然先へ進めませんでした(苦笑)
でも、私の後ろに続く人たちも、みんなそうみたいだね


そしてようやく、峰の茶屋へ到着!

ここから左へ行けば茶臼岳、右へ行けば朝日岳方面になります。
私達はまず朝日岳へ。

朝日岳への登りに入る手前に、「危険」と書かれた看板がありました。
ここからの道は危険なので、装備や体力のない人は登らないで・・・というようなことが書いてあります。
確かに、ここからの道はかなりハードでしたので、観光気分で来られたお客さんは先に進むのはやめたほうがいいと感じました

私も友達もそれなりの装備はしてきていたので、気持ちを引き締めて先へと進みます。
さぁ、いよいよ秋色に燃える山の中へ・・・

【次回へ続く】