2009.11鐘撞堂山ひとり登山(1)
ここ最近は山へ同行してくれる友達が何人かいたので、ひとり登山に出かける機会はありませんでした。
できれば単独行は避けたいと思っていた私にとって、それはとてもありがたいことでした。
気がおけない仲間達とお喋りしたり、一緒に景色を眺めたりしながら山登りするのはとても楽しいこと。
だけど・・・なんとなく、「たまにはひとりで登るのもいいなぁ」っていう思いもあったんです。
11月も終わりの週末、朝の下り列車は閑散としていて、まぶしいほどの陽射しが窓いっぱいに差し込んできていました。
うたた寝を繰り返しながら時折見上げる車窓からの景色は、背の高いビル群から住宅街へ、そして一面に畑の広がる里の風景へと移り変わっていきます。
広くなった空の向こうに立ち並ぶ山々のシルエットを眺めているうちに、懐かしい故郷へ帰るかのような、じんわりとした高揚感みたいなものに包まれていったんです。
今回の私のひとり登山は、そんな風にして始まりました。
ロングウォークちちぶ路参加以来の寄居駅に降り立った私は、駅前でトイレを済ませると、まず大正池を目指して歩き始めました。
町の道は複雑に入り組んでいて、手持ちの地図だけでは不安があったのですが、指導標がいくつも設置されていたので迷うことはありませんでした。
ここへ来て初めて気がついたのですが、この辺りは今がまさに紅葉真っ盛りのようです。
見渡す限りの山々が皆、赤やオレンジに染まっているの!!
民家が背負っている小さな山だって・・・ホラ。
わぁ~すごいっ!たまたまだけど、今日来れた私ってかなりラッキーだったんじゃないかな?
これからの私を待っているのは、期待以上の景色かもしれない。
私はひとり、ワクワクしながら進んでいきます。
やがて、「大正池」の看板が立つ、静かな池にたどり着きました~。
穏やかな水面が、紅葉と青空を鏡のように映しています。
なんてキレイなんだろう・・・。しばらくの間、この景色に見入ってしまいました。
池のほとりには、こんなに立派な木も立っていましたよ~。
張り巡らされた枝が、今にも動き出しそうなほどの躍動感です。
大正池を後にしてしばらく舗装道を進むと、両脇を高い植林に挟まれた未舗装の車道になりました。
さらにこの先にある指導標に従って、いよいよ今回の目的地、鐘撞堂山の登山道に入ります。
初めは沢沿いだったためか、ぬかるんだ道が現れて一瞬ヒヤッとしましたが、それもすぐに終わって比較的歩きやすい道が続きます。
山側は土が削れて木々の根が露出していました。
わぁー!左の木、今にも落ちそうだよ!!頑張って・・・
ちなみにこの辺りの木には、なぜか健康食品(?)などのチラシが所々にぶら下げてありました(笑)
そこからさらに進んでいくと、辺りは突然竹林へと変わります。
無数の竹たちが覆いかぶさるようにして生えていて、まるで緑色のトンネルの中を歩いているかのよう。
竹林の中の道って、なんだかとても新鮮で楽しいですね~
この林、途中に竹炭工房があって、色々な体験ができるみたいです。
そして竹林を抜けると、再び植林の中の道を登っていきます。
道はすごくしっかりしているし、分岐には指導標が完備されているのですごく分かりやすいです
やがて辺りの木々がまばらになって、その合間に真っ青な空が覗くようになりました。
見ると、右手の木々のすぐ向こうは草がちな斜面になっていて、そのてっぺんにはあずまやのような建物があるみたい。
もしかして、もうすぐ頂上なのかも!ワクワクしながらスパートをかけようとした私が、ふと木々の切れ間から右手後方を振り返ると・・・
「ええ―っ!!何これ――――っ!?」
見渡す限り、一面の赤。紅葉の山々が遥か遠くまで続いていく景色。
何これ、嘘でしょ、信じられないっ!!
あまりの景色にびっくりしてしまって、心臓がばくばくと早鐘を打ち始めました。
だから「鐘撞堂山」って言うのかな(そんなわけない)。
こうして山頂への最後の階段を、早足で登っていく私。
この階段、結構長くて息が切れるんだけど、そんなこともはや全く気になりません。
この一歩一歩が山頂に、あの景色に近付いていってるんだと思うと嬉しくて嬉しくて・・・
そして、鐘撞堂山山頂に到着―――っ
って、標識うすっ!!(笑)
山頂標識は意外と拍子抜けでしたが、大きく開けた展望には、もう「すごい」って言葉しか出てきません。
標高330mの軽いハイキングで、こんな景色が見えてしまうの!?うわごとのように「すごい」を連発しながら、私は左の端から右の端まで、何度も何度も目の前に広がる美しい光景を繰り返し見渡すのでした。
こんもりとした紅葉の森の向こうには、キラキラと輝くジオラマみたいな町並みがあって、
その右手には、真っ赤な海のようにうねりながら続いていく山並みがあって・・・。
そして真っ青な空には白い雲と、飛行船がぷかぷか浮いているの。
ねぇ、こんなこと・・・こんな景色ってあるの?こんなにも美しい光景って・・・。
山頂の賑わいも耳に入らぬまま、私はただただこの美しい世界の中に引き込まれていたのでした。
【次回へ続く】
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- 2009.11鐘撞堂山ひとり登山(3) (2009/12/23)
- 2009.11鐘撞堂山ひとり登山(2) (2009/12/20)
- 2009.11鐘撞堂山ひとり登山(1) (2009/12/18)
Comment
2009.12.18 Fri 11:32 | 驚きの景色!!
こんにちは!!
低山ながら素晴らしい眺望ですね!!見られるんですね!!
この間は水根沢~鷹ノ巣山~六ツ石山縦走してまいりました!!5時間の山行でした(結構ハード)。
先日は奥武蔵グリーンラインをバイクでツーリングがてら丸山、日向山縦走してまいりました武甲山、浅間山がきれいでしたぁさぁ~次は奥多摩高水三山を縦走予定です。
ぜひぜひ奥多摩も良いですよ!!
- #-
- 山小僧
- URL
2009.12.18 Fri 18:36 | 330m
yamajoshiさんこんばんは!
近い標高で日和田山を連想しました。
四季を通して登れる日和田山が好きな理由のひとつは、標高を感じさせないパノラマがあるからです。
低山でなくとも、山頂が木々に遮られて見通しのよくない山も多いけど、だからこそ大切にしたい山ですね!
さらに近い標高で神戸の高取山(328m)もお勧めです。
ちょっと遠いけど・・。
2009.12.19 Sat 15:44 |
こんにちは。
こちらも登った気分にさせてもらえる、いいブログだなぁ。
この季節は、落葉するお陰で低山でも見通しがよくなり、
いろんな発見ができるのが嬉しいです。
プロフィールの写真模様替えですね。
yamajoshiさんがミニチュア模型のようにみえます。
2009.12.20 Sun 00:22 | 山小僧様
山小僧様、こんばんは!コメントありがとうございます。
鐘撞堂山は展望のいい山だと聞いてはいたのですが、まさか自分の行った時期が紅葉の見頃だったとは知らず、思わぬ絶景に感動してしまいました~
山小僧様、かなり山に登られてますね~!私も足(自分の車)があったらもっと山に行きやすくなるんでしょうけど。。
高水三山、私も今後行きたい山のリストに入っているんです。もし登られましたら感想などお聞かせ下さい♪
寒くなってきましたので、防寒対策など万全にして楽しい山歩きを続けていかれて下さいね☆
2009.12.20 Sun 00:34 | 長次郎様
長次郎様、こんばんは!コメントありがとうございます☆
諸々お返事が遅れていてごめんなさいこの時期、飲み会が続いてブログをアップするのもなかなか・・・(苦笑)
日和田山、本当に素敵な山ですよね男坂の岩場、鳥居ごしの景色・・・あの山へ行くとなんだかすごくホッとするんです。私の初めての単独行も日和田山でした~。
神戸にも近い標高の素敵な山があるんですね。私もいつか関東周辺だけでなく、色んな地域の山にお邪魔してみたいです
その時はもちろん、大阪の天保山にも登って(?)みたいですね~(笑)
2009.12.20 Sun 00:46 | amigo様
amigo様、こんばんは!コメントありがとうございます。
ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです
なにぶん素人なもので、写真も文章も見づらい&読みづらいかと思いますが・・・面倒なところは流し読みして頂ければと思います
そうですね、これからの季節は山からの見晴らしの良さが楽しみになりますね。
それから、裸になった木々たちの姿を眺めるのも面白いですね!
って、ちょっとヘンタイっぽいですか?(笑)
>yamajoshiさんがミニチュア模型のようにみえます。
分かって頂けましたか~!
実は、普通の写真をミニチュア模型みたいに加工するソフトがあって、試しに使ってみたら面白い写真になったので掲載してみました。
とはいえ、加工せずとも元々ミニチュア模型みたいなサイズなんですけどね・・・
それでは、よろしければまた遊びにいらして下さいね♪
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