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2010.09焼岳~西穂高岳登山【2日目】(2)

焼岳~西穂高岳登山、(1)の続きです。

翌朝5時過ぎに山荘を出ると、頭上にはまだ月が煌々と輝いていました。
辺りにはきんと冷えた空気が満ちていて、山荘の窓から漏れるオレンジの明かりがとてもあたたかなものに思えました。
西穂山荘を出発

私たちは山荘脇の棚に不要な荷物を置かせてもらい、少し軽くなったザックを背負って歩き始めます。
前回の南アルプスでは北岳山荘から間ノ岳への往復にサブザックを使いましたが、今回の西穂高岳往復は道の険しさも考えて、メインのザック(OSPREY(オスプレー)ケストレル28)で行くことにしました。

登り始めは大きな岩が積み重なったような道。ほぼ同時刻に登り始めた多くの人々と一団となって歩かなければならなかったこともあって、ペースが乱れて息が上がりました
大岩の登りが落ち着くと辺りは低木に挟まれた見晴らしの良い道に変わり、ほどよく人もばらけて歩きやすくなってきました。
西穂高岳方面へ

日の出までにできるだけ先へ進んでおきたいところですが、うまくタイミングと場所を選ばないとご来光が山陰に隠れてしまいそう・・・。
うまくご来光を拝めそうな場所を探りながら歩いていた私たちは、大きく開けた丸山のピークを越え、さらに先へと足を進めます。

しかしこの頃になると、状況は大きく変わっていました。
私の心はいつの間にか、西の空に奪われていたんです。

夜明け前の西の空

眼下の街を覆う地上の層、月の浮かぶ宇宙の層、そしてその間に漂う赤の層・・・
黒々と聳える山並みの向こうに広がるのは、そんな不思議な世界でした。

こうして美しい朝焼けの東の空、そして強烈に心惹かれる西の空を交互に見ながら歩き続けます。
とはいえ私のことですから、足元の小さな世界にも目を落とすことは忘れませんよ~(笑)

葉っぱに霜のデコレーション
ちょっとぶれちゃったけど・・・小さくて丸い葉っぱにたっぷりの霜のデコレーション。とってもキュート

「・・・あれっ!?ここまで来るとご来光が山に隠れちゃうかも!
「さっきの広場っぽいところまで戻ろうか
気づけばちょっと行き過ぎていた私たち、慌てて来た道を少し戻り、開けた場所に出るとザックを下ろしました。
もうすぐ、日の出の時間だね。

やがて、シルエットだった西の山並みにも少しずつ光が当たり始めました。
その時浮かび上がったのは、思わず息をのむような光景だったんです。

荘厳な笠ヶ岳の姿

美しい・・・いや、そんな感覚なんて遥かに通り過ぎて、「恐ろしい」とさえ感じました。
人間を寄せ付けないような威圧感。威厳に満ちた山の姿がそこにあったんです。
その山 ―後にそれが笠ヶ岳だと知るのですが― の尖った頂が突然ぼぅっと炎のような赤に染まり、その火がじわじわと下りていくにつれて、荒々しい山肌があらわになっていくのでした。

山は本当に偉大で、「わたし」はこんなにも小さな、ちっぽけな存在で。
でもそんなちっぽけな存在でも、こうして大きな大きな山のふところをちょこちょこ歩き回らせてもらって、こんな風に感動をもらって、生かしてもらってる。
山と同じように、命って偉大なものなんだって思う。
生きてることって、ただそれだけで本当に素晴らしいことなんだなって思う。

こうして西の空ばかり見ていたのですが、どうやら既に日の出を迎えてしまっていたみたい(苦笑)
残念ながら、私たちのいる広場からは太陽が山の陰に入ってしまって見えないようです・・・

さ、さぁ気を取り直して登山再開!
しばらくは歩きやすい道でしたが、だんだんと岩が大きく、斜面も急になっていきました。

岩だらけの登山道

息を切らしながら登っていくと、ようやく山の陰から太陽が半分顔を出してくれましたー!
振り返った稜線にも光が一杯に射しています。昨日登った焼岳も見えるね
朝陽に照らされる稜線

しかし、この辺りからさらに道は険しくなっていきました。
とにかく一歩一歩、油断しないよう慎重に足を運びます。
険しくなってきました

こうしてなんとか無事に、西穂高岳独標へ到着!
西穂高岳独標に到着!

登山を始めて間もない私が心惹かれたこの場所は、想像通り・・・いや、それ以上に素晴らしい眺めの中にありました。

目の前には、命ある者の存在すら受け付けないような、とにかく厳しく、険しい山並みが迫っています。

立ちはだかる険しい山々

今回はあの山並みの中、西穂高岳まで登る予定です。
しばらくその景色を眺めた後、緊張半分、ワクワク半分で岩場を進み始めました。

ここからの道は、これまで以上に困難なものになりました。
両手両足と頭を使い、足場や手がかりをしっかり確保しながらゆっくりと慎重に進んでいきます。

この辺りで、先行者との間隔調整をしている時にサッと足元を撮影してみました。
(※高所恐怖症の方は閲覧注意です!)

まさに・・・崖っぷち

岩につけられた○印は登山道のマーク。
ですがこれ・・・すぐ脇は谷底まで切れ落ちていませんかっ!?
とにかく焦らず、慎重に・・・同行の友達と声を掛け合いながらゆっくりと進みます。

こうしてたどり着いたのが、ピラミッドピーク。
ピラミッドピーク!

独標の辺りから眺めていた時、ここが西穂高岳にも思えたんだけど・・・やっぱり目指す頂はもっと先にありました
ここまでの岩場で少し苦戦していたお友達に様子を尋ねると、大丈夫だということだったので、場合によっては引き返すことも考えながら、さらに先へと進みました。

もうこの辺り、どこを向いても迫力の景色ばかり。
振り返って見れば「こんなに尖った稜線を歩いてきたの!?」と自分にもびっくりです
尖ってます

西穂高岳山頂への最後の登りは、もうハンパない険しさで
手足だけでなくルートを見極めるために頭もすごく使うので、神経はこのエリアの稜線ぐらい鋭く研ぎ澄まされていたように感じます。
非常に険しい岩場の登り
でも・・・こうして自分の身体ひとつで、山と真剣に向き合っている感覚・・・好きだなぁ~

正直、ここまでの道のりは困難で、緊張を強いられるものでした。
だけどそれと同時に、とても楽しいものでした

そして・・・


西穂高岳、登頂!

西穂高岳、無事登頂!!

【次回へ続く】
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Comment

2011.03.02 Wed 00:10  |  言葉も出ないです。

読んでいると、表現力豊かで語彙に溢れ、空気感が存分に伝わってきます。

山女子さんは詩人ですね。

絶壁の写真にはビックリしました! 
写真ではなく、現場ではかなりの高度感でしょうね!

私は、穂高連峰で、西穂高だけ行っていないので、ぜひともチャレンジしたいと思っていましたが、腰が引けてきました(笑)

素晴らしい山行を拝見させていただき、ありがとうございます。

2011.03.02 Wed 22:53  |  かずし様(2)

かずし様、こんばんは!コメントありがとうございます。

ブログ記事や本の原稿を書いている時に、「文章や写真だけではこの感動の全てを伝えきれないなぁ」っていつももどかしい気持ちになります(苦笑)
でも、だからこそ実際に山に登って、実際にこの感動を味わってほしいんですよねe-454
写真や文章で実際に出会う感動のほんの一部でも伝えることができたら、それがどなたかの山へ向かうきっかけのひとつになったとしたら、これほど嬉しいことはありませんe-446

確かに、写真の場所は視界がクリアーだったこともあってかなりの高度感でしたよ~e-330
ただ、独標から西穂高岳までは険しいですが、その先はさらに険しいと聞きますから、かずしさんなら問題ないのではないでしょうか?!

機会があれば、是非e-454e-420

2011.03.03 Thu 05:20  |  

西穂すごいですね。
この前の土曜日に上高地に行きましたが、西穂から奥穂にかけてが一番キザキザしていました。

  • #-
  • 八ヶ岳の住人
  • URL

2011.03.05 Sat 03:57  |  凄い高度感!

山女子さん、こちらでははじめまして!
TwitterではAnnabelle_KiKiでお世話になっています。

最近、ずっと白銀の世界を見ていましたが
この高度感は、ゾクゾクしますね~
写真を見ただけでも、膝がゾクゾク!っとなりました。
自分は過去にここまで険しい所を歩いた経験があるのか無いのかわからないのですが
とにかく、わが身のように感じました。

山女子さんも、オスプレー愛用していらっしゃいますよね♪
わたしもオスプレーLOVE☆です(^^)
夏山はケストレル、冬山はバリアント、テントを担ぐ時はエーリエルです(o^^)o

2011.03.08 Tue 22:54  |  八ヶ岳の住人様

八ヶ岳の住人様、こんばんは!コメントありがとうございます。

最近上高地に行かれたのですね~!西穂から奥穂にかけては、本当に険しいですよね。
上高地ではあまりゆっくりできなかったので、また夏になったら遊びにいきたいですe-454

2011.03.08 Tue 23:44  |  KiKi様

KiKi様、こんばんは!コメントありがとうございます。
Twitterでもお世話になっていますe-454

白銀の世界、素晴らしいでしょうね。憧れます~☆
ただ、今は家族の心配もあるので、その魅力にとりつかれないよう必死で振り払っています(苦笑)

この写真、自分で見返してもゾクゾクしますね~e-330

はい、オスプレーのザックはは機能性も高くて幅広く活用させてもらってます!
山でオスプレーのザックを背負っている人を見かけると、「あっ、オスプレー仲間だぁ」なんて勝手に親近感を感じています(笑)
KiKi様はオスプレーのザックを大活用なのですね。どうぞこれからもオスプレーと一緒に、楽しく山歩きなさって下さいね♪

2011.09.03 Sat 15:22  |  管理人のみ閲覧できます

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