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2011.10北アルプス燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳~涸沢テント泊縦走登山(3)【3日目:涸沢編】

北アルプス燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳~涸沢登山、【1日目】(1)、【2日目】(2)の続きです。

初日に中房温泉から燕岳~大天井岳まで、
そして2日目は大天荘から常念岳を経て、蝶ヶ岳までやってきた私たち。

昨日の大天荘テント場に比べると、ここ蝶ヶ岳ヒュッテテント場の冷え込みは幾分マシなように感じましたが、風は昨日よりも強くなりました。
風の力でテントの側面がたわみ、時々私の肩をぎゅーっと押してくるので、「誰かに押されてる!」と何度か目が覚めました
それでも、テントが壊れそうな雰囲気はなかったので、時々風に起こされながらもなんとか眠ることができたのでした

こうして迎えた3日目の朝。少し遅めに、5時過ぎの起床となりました。
早速お湯を沸かして、尾西の白がゆにフリーズドライのスープときのこを足した朝食を作っていただきます
お粥

ゆっくりと身支度を整え、テントを片付けると、そろそろ出発の時間。
気を引き締めて、今日もしっかり歩くぞ!と気持ちを登山モードに切り替えます

そして、最後にヒュッテのトイレを借りて出てきた時のこと。
稜線の東側に広がる光景に、私の目は釘付けになりました。

あぁ、これは・・・
なんていう景色なんだろう。
蝶ヶ岳ヒュッテから

私たちの暮らすこの世界は、こんなにも美しい。
そして、この世界に生を受けて、ここにこうしていられることは、「奇跡」と言えるぐらいすごいことなんだと思う。

山には死と隣り合わせの危険も沢山あるけれど、私にとっての山は決して死ぬために行く場所ではなくて、生きることの喜びを実感するために行く場所なんだってことを再認識しました。

山に、全てに・・・ありがとう。


「よーし、それじゃあ出発しよう!
こうしてヒュッテを後にすると、足取り軽く歩き始めた私たち。
お腹の底から元気が湧いてくるような気がします!

ここからはいったん昨日歩いた道を少し戻って、横尾分岐から横尾へと下ります。
昨日までと同様に空はすっきりと晴れ渡り、景色は大きく開けていました。

目の前には今日も、槍~穂高の山々がどっしりと聳えています!
うーん、素晴らしいっ!!
いよいよ出発!

何度も立ち止まって山の空気と景色を楽しみながら進んでいくと、やがて横尾分岐にぶつかりましたー。
横尾分岐

ここからは横尾に向けて、一気に下ります!
一気に下ります

岩ゴロゴロの道を下り始めると、間もなく樹林帯へと入りました。
樹林帯に入ります

陽射しや風を直に受け続けていた稜線の道から離れて、少しだけホッとした気分になります。
道はかなり急ですが、踏み跡ははっきりとしていて分かりやすいです。
石の多かった足下も徐々に落ち着き、土の道へと変わってきました。

樹林帯の雰囲気を楽しみながら、私はかなり速めのペースで下っていきました。
横尾までの標高差は約1000m。下っていくほどに空気が濃くなって力がみなぎっていくような、そんな錯覚すら覚えました(笑)

途中で、木々の切れ間に槍ヶ岳の見える場所が2箇所ほどありました。
さっきまで目線の高さにあったように感じられたあの美しいとんがりは、気付けば見上げるほど高く、遠く聳えているように感じられるのでした。
そうか、随分下ってきたんだなぁ・・・。

苔やらキノコやら木の実やら、色々なものに目をやりながら下っていくと、下から登ってきた登山者さん数組とすれ違いました。
それでもほとんど人に会うことはなく、とても静かな森の道でした。

やがて、こんな飛び石ならぬ飛び丸太?が現れましたー!
飛び石風

丸太の上をトントンと駆けていくと・・・

「わーっ!!
横尾到着!

大きく開けた景色、整備された道、キレイな山荘、そして大勢の人々!!
そう、横尾に到着したのでしたー!

まるで大自然の中で暮らしてきた野生動物が文明の世界に飛び出してきたかのように、頭がクラクラとしてきます(苦笑)
ひとまず、ちょっと落ち着いて気持ちを切り替えようと、ザックを下ろして休憩を取ることにしましたー。

横尾山荘で冷たいドリンクを買い、行動食と一緒に頂きます。
そしてタオルで汗をぬぐい、日焼け止めを塗り直し、近くのトイレを借りに行きました。

ここのトイレが大混雑!初日の中房温泉の時のように、行列に並ぶことになりましたー
うーん、さすが人気の上高地!

30分ほど休憩を取って、だいぶ落ち着いてきた私たちは、いよいよ涸沢へと向かうことにしました。
涸沢は以前からずっと訪れたいと思っていた憧れの場所。真っ赤に色づいた紅葉のポスター写真が、ずっと目に焼き付いています。
今回は混雑を避けたために紅葉全盛期からは少し遅れてしまいましたが、まだ秋はとどまっていてくれるでしょうか。
それとも、もう冬がやってきているのかな・・・?

大きな期待とちょっとの不安を胸に、私たちは歩き始めました。

まずは大きな吊り橋を渡ります。
美しい森に清流、雄大な山並み。本当にこの場所は多くの人を惹き付ける魅力に溢れた場所ですね
橋を渡ります

これまでとは違い、多くの人たちが行き交う賑やかな道になりました。
アップダウンもほとんどなく、素敵な散歩道です。
とっても歩きやすかったので、私たちはかなりハイペースでどんどん進んでいきました!
歩きやすい道

やがて、本谷橋にぶつかりましたー!
先ほど渡った橋よりも、ずっと小さな吊り橋です。
本谷橋

周辺の岩場には大勢の登山者さんたちが休憩していましたが、私たちはそのまま進むことにしました。

本谷橋を渡ると道は登山道らしさを増してきて、傾斜もきつくなってきました。
少しずつ足取りが重くなってきたのを感じますが、こんな景色が現れて、疲れを吹き飛ばしてくれましたー!

うわぁーっ!!すごーいっ!!
すっごい景色!

大迫力の岩壁に、秋の色が乗っていてとっても素敵な光景です!
ここから先は周囲の木々の背が低くなり、美しい秋色に染まった素晴らしい景色を眺めながらの登りになりました。

ここは本当に、美しさと雄大さが共存する感動的な光景ばかりで・・・
足を止めてずーっと眺めていたかったけど、あまり広くはない道に多くの人々が行き交っていたので、なかなか自分のペースで立ち止まることができませんでした

進行方向が同じ団体さんは、私たちが追いつくとすぐに道を譲って下さったので、とてもありがたかったです!
ですが、かなり大きな団体さんが多く、一度抜かさせてもらうと一息に数十人を抜いていかないといけないので、呼吸困難になるかと思うほど疲れました(苦笑)
しかも、団体さんが連続している時なんかはもう・・・ヒエエエェー(笑)

こうして息も絶え絶えになりながらも、人々の切れ間を待って何枚もシャッターを切りました。
ああ・・・もう、ずっとずっとず―――っとこの場所に佇んで、ただひたすら眺め続けていたいような、そんな素晴らしい景色です
紅葉です!

しかし、景色が開けて陽射しを直に受けるようになると、暑さと疲労がずっしりと私の背中にのしかかってきました。
蝶ヶ岳から下る時や、横尾から出発した時の元気はすっかり底をついてしまったようです

そこで、他の人の邪魔にならないよう日陰で休める場所を見つけて、少しの間ザックを下ろして休憩を取りました。
ふー、暑いなぁー!稜線ではあんなに凍えていたのに、嘘みたいだね。

しかし、この頃にはもう涸沢はあと少しのところまで来ていました。
休憩を終えて歩きはじめると、間もなく「涸沢ヒュッテ」の案内標識にぶつかります。

暑いしきついけど、あとちょっとで到着だね!
振り返ればこの絶景。素晴らしい景色に元気を分けてもらいながら、ゆっくりと登っていきました。
爽快ですねー!

そして・・・涸沢ヒュッテに到着ー!!
涸沢ヒュッテ
噂通りのキレイで大きくて立派な小屋ですねー。

私たちは小屋を通り抜けて、テント場の方へ進みました。
すると、ポスター写真で見たままのあの景色がどーんと目に飛び込んできましたー!
テント場の景色

「わぁぁぁーっ!!キレイっ!!
涸沢の秋は今や残り火のように色褪せつつありましたが、それでも十分に感動的な光景でした。

どこを見回しても素晴らしい景色。私は疲れも忘れて、ぐるぐると辺りの景色を見上げ続けました。
すごいなぁ・・・!!
方角を変えてもう1枚

ようやく気持ちが落ち着くと、私たちはテントの設営にかかりました。
ここ涸沢のテント場はとにかく広くて、500張ほども張れるのだそう。それでも、紅葉真っ盛りの連休中は、なんと1000張を超えるテントが張られたのだそうです!

私たちは時期を外していたことと、到着時間が早めだったこともあって、テント場はかなり空いていました。
というわけで好きな場所にテントを張れたのですが、ここはごつごつの岩場なので、薄いシートでは太刀打ちできませんでした

なるべく平らな場所を見つけて、丁寧に石をならしてテントを張りましたが、中へ入ると足がイタタタ・・・
というわけで、テントの受付が開始されてから、下に敷くマットをレンタルしましたー!
分厚いマットのお陰で、石のゴツゴツが気にならなくなりましたよー。これで今夜もしっかり眠れそうだね

テントの設営が終わると、私たちは涸沢ヒュッテへ向かいました。
今回の行程中、どこかで1回は山小屋ご飯を頂こうと決めていたんです。
今日がその時!早速カレーとおでん、そして温かいミルクティーを注文しましたー!

そして、靴を脱いで上がるテラス席で、温かい食事を頂きました。
涸沢の素晴らしい景色に囲まれて食べるご飯はめちゃめちゃ美味しい!胃袋と心に沁みました
カレーとおでん!

実は、当初の計画ではここ涸沢に2泊して、奥穂高岳か北穂高岳へ登ることを考えていました。
天候などの不安もあって、入山直前に涸沢1泊で下山する計画に変更をしていたんです。

ここに来てみると、「登ってみたいなぁ」という気持ちが一瞬心の中に湧いてきました。
ですが、実際の標高差以上にここから見上げる岩壁は高く、稜線は険しく遠く感じました。

そうだね、私はまだこの先へ登る時ではないんだ。
それに、燕岳から蝶ヶ岳までの稜線歩きを満喫できたし、ここ涸沢の紅葉に出会うこともできたし、もう十分満足です!
そう考えたら、なんだかすごくすっきりとした気持ちになりました

こうして私たちは食事を終えると、テントに戻りました。

ごろりと横になってテントの入り口を開けると、目の前には美しい涸沢の景色。
うわー、なんていう贅沢でしょう(笑)

私たちはのんびりと景色を眺めながらお茶を飲んだり、付近を散策して写真を撮ったりして過ごしました。
そして日が落ちてきた頃、今回の山旅最後の晩ごはんを作ります!

今日は贅沢に、フリーズドライの親子丼(小さめどんぶりシリーズ 親子丼)と麻婆なす丼(小さめどんぶりシリーズ 麻婆なす丼)を使った二色丼とお味噌汁!!

これはかなり豪華で美味しかったですー!!
二色丼!

そしてトイレに立ったついでに、夜の涸沢を少し散歩することにしました。

この辺りは周囲を高い岩壁に囲まれているせいか、風もほとんどなくとても穏やかでした。
寒さは変わらず厳しいですが、ダウンや中綿入りのズボンの上からレインウェアを羽織れば、なんとか外で過ごせるほどの気温でした。

色とりどりの光に包まれるテント場の上には、満天の星空が広がっていました。
月明かりが辺りの山並みをくっきりと浮かび上がらせて、とても幻想的でした。

その時撮った写真を、Photoshopで少し明るくしてみました!
こんなに素敵な世界の中で、私は過ごしていたんですね
夜の涸沢

だいぶ身体が冷えてきたので、私たちはテントに戻り、シュラフにもぐりこみました。
明日はついに、山を下りることになります。
これまでの3日間はすごく長かったようにも感じられましたが、この世界と明日でお別れするのだと思うと、とても名残惜しい気持ちにもなりました。

最後の夜、ゆっくり休んで、明日は元気で「ただいま!」を言えるように頑張ろう。
こうして眠りについた私には、明日も険しい道のりが待っていたのでした。

【次回へ続く】
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Comment

2012.08.18 Sat 22:54  |  yamajoshiさんへ

こんにちわ。

北アルプス縦走、読んでるだけでワクワクします!
すごく楽しそう!
北アルプスは憧れの山です。yamajoshiさんのような縦走、私もいつかしてみたいな。
こんな絶景に囲まれていると、ずっと山にいたくなっちゃいますね。名残惜しいという気持ちわかります。

体力つけて、来年は北アルプスに行こうかな。


2012.08.19 Sun 11:57  |  

はじめまして。
最近急に登山というか、
テント泊にあこがれだしたものです。
とても素敵な景色ですね。
いつかアルプスに行ってみたいです。
まずはマナーを学んで、道具をそろえないと・・・

2012.08.20 Mon 15:25  |  涸沢

「涸沢」 この写真が一番気に入っています。

実際はかなり暗かったと思いますが 涸沢カール、バックにした写真良い雰囲気。

それにしてもテント泊4日分の荷物を背負ってその小さな体の何処にパワーが有るのか信じられない、同行者が男性としても多分20kg以上の荷物を担いで燕から常念、蝶、景色は良いと思うけどその体力、頭が下がります。

山女子さんを捕まえて離さない、その魅力が欲しい。(^.^)

2012.08.28 Tue 22:31  |  nori様

nori様、こんばんは!コメントありがとうございます。

今回の北アルプスの縦走は、天気にも恵まれて本当に素晴らしい経験になりました!
寒いしきついし不便だし・・・と下界では考えられないような環境ですが、だからこそ得られるものがすごく多かったです。

北アルプスは険しいところも多いですが、本当に美しい場所だと思います☆
色々な山やコースがありますので、来年機会があれば計画なさって下さいね♪

2012.08.28 Tue 22:36  |  歩兵様

歩兵様、こんばんは!コメントありがとうございます。

歩兵様はテント泊に興味をお持ちなのですね。
道具を揃えるのも楽しいですよねー♪

>まずはマナーを学んで
おっしゃる通り、これは大切なことですね。実際にテント泊登山をしていると、この辺りで色々と思うところがあるんですよー。。
私も自然に優しく、他の登山者さんたちにも優しい人間になれるよう心がけていきたいと思います!

2012.08.28 Tue 22:46  |  tahara_t2様(2)

tahara_t2様、こんばんは!コメントありがとうございます。

夜の涸沢は、ヘッドライトを消してみると月明かりにぼんやりと浮かび上がる景色がとても幻想的でした。
かなり寒かったので撮影中は震えていましたが、とっても素敵な夜でした!

荷物が重くなりがちな山行の場合は特に、かなり軽量化を意識してパッキングしているんです。
(とは言ってもウルトラライトまではいかず、ある程度の快適性は重視しているのですが・・・)

そのため、今回も重量は確か15kg以内で行けていたと思います!
それでも4日間歩き通すのはかなり疲れました(苦笑)

今後は20kg以上の荷物を担いでもきちんと山を歩けるよう、トレーニングをしたいと思っています。

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